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サムライスピリッツ斬紅郎無双剣 対戦入門編

このページでは、斬サムの対戦をはじめるにあたっての基本的な考え方を紹介していきます。「どんなゲーム?」「どう攻めるの?」「どう守るの?」という疑問にお答えします。

とかく世間では「ぶっ壊れたク○ゲー」というイメージが先行しがちな斬サムですが、実際に対戦してみるとこれがなかなか一筋縄ではいかず面白いゲームです。独特のスピード感と中毒性のある激しいゲームでありながら、しっかりサムライスピリッツしている部分もあってハマる人はとことんハマります。

格ゲーとしてやり込むにはもちろん、ワイワイとパーティゲーム的に遊ぶにも、対戦動画を観るのにも。攻め方や守り方を知っているとより一層楽しめるはず。ぜひじっくりと読んでみてください。

斬サム対戦の特徴

斬サムってどんなゲーム?

まず挙げられる斬サムの大きな特徴は以下の2点。

  1. 簡単操作で超・高火力
    ゲーム全体として火力が高い。よく知られるように、実用的かつ簡単な永久コンボや一発KOコンボが大量にあるうえ、「中斬りキャンセル必殺技」程度の基本コンボでも条件次第で体力ゲージの半分近くを吹き飛ばす。
    大斬りなどの単発技も、やはり条件次第で驚異的なダメージに。爽快!
  2. 強すぎる防御・回避行動
    反面、守りも堅い。崩し手段が少なく基本的に「ガードが強い」ゲームでありながら、さらに「避け」・「空中ガード」という強力な回避システムが。回避が上手くなればダメージを与えるのも一苦労。上級者同士のテンポの良いアクションはまるで演武か殺陣のよう。

攻めも守りも超過激。一般的に斬サムといえば、永久コンボなど苛烈なハメ……「攻」のイメージが強いですが、実戦ではそう易々と通させてくれません。斬サムのもうひとつの側面として「避け」に代表される防御・回避行動が異常に強いことが挙げられ、イメージに反して実際には「守」も強烈に強いゲームとなっています。界隈では「最強の矛をもって最強の盾を突くゲーム」などと評されます。

さらにくわしく

さらに2D格闘ゲームやサムスピシリーズとして見たときには、以下のような特徴が挙げられます(ちょっと細かな話なので興味が無ければ飛ばしてOKです)。

  1. 背中を見せる=死
    背面に攻撃がヒットするとコンボが繋がりやすくなる「背面くらい」が存在。このおかげでメチャ簡単な永久コンボが山ほどある。都合の良いことに「回り込み」や「防御崩し(引っ張り)」など背面を狙うためのシステムが豊富に用意されており、接近戦ではつねに警戒が必要。
  2. とにかく避けが高性能
    AB同時押しで出る「避け」が基本行動。全身完全無敵かつ終わりの隙もないという滅茶苦茶な性能(連発は不可)。必然的に常時これがバラ撒かれることになる。安易な大技は隙を晒すだけ、中攻撃などの牽制も「つねに空振る可能性がある」という本作独特の駆け引きに。
  3. 小技が優秀な傾向
    蹴り技や小斬りなど小技を中心に便利な技が多数存在。複数回連続ヒットする小足(しゃがみD)を持っているキャラや、ガードさせて五分~有利が取れる技を持っているキャラもおり固めが強い。覇王丸などが良い例で、世間的な「サムスピ」のイメージからすると意外に感じるかも。避けの優秀さもあって、リスクを抑えられる小技が攻防の主軸になりがち。
  4. 通常投げが使いづらい
    他のゲームにおける通常投げにあたるシステム「防御崩し」の発生が14F(60分の14秒)と遅く少々使いづらい(幻十郎は9F・斬紅郎は8Fと速い部類。またコマンド投げは3F)。相手を崩すためには十分な布石が必要。
  5. ダッシュ攻撃が使いづらい
    ダッシュ攻撃のシステムはあるものの、使いやすい素直な性能のものは少なめ(挙動がトリッキーだったり、隙が大きかったりするものが多い)。防御崩しの使いづらさもあり「ダッシュからn択をかけて場を動かす」ようなゲーム性ではない。他の2Dサムスピシリーズと最も異なるのがこの点で、シリーズ経験者ほど注意。

全体的な傾向として接近戦に適した技やシステムが多く、リターン的にも接近戦で得られるものが大きいため必然的に接近戦にフォーカスした試合運びになります。触り合っている時間が長く、インファイト主体で展開の速いサムスピとなっておりシリーズ中でも異色のプレイ感覚。攻守の入れ替わりも激しく、丁々発止のスピーディな駆け引きにはクセになる魅力があります。

斬サムの攻め方と守り方

攻め方について

まずは触ろう

攻め側のセオリーとして、まずはとにかく触りにいくことが重要です。サムスピシリーズの他作品に比べダッシュ投げやダッシュ攻撃が使いづらいため、ダッシュから直接攻めるのではなく接近戦に持ち込んでから攻めます。まずここがポイント。接近手段としてはズンズン歩いたり、おもむろにジャンプしたり、たまにダッシュしたりすればいいでしょう。難しく考える必要は無いと思います。ジャンプするときは空中ガードを忘れずに。

世間的「サムスピらしさ」としてよく挙げられる「中間距離でのジリジリした刺し合い」は斬紅郎無双剣ではさほど意識する必要はありません。本作は接近戦でできることの幅が広くリターンも大きいため、接近戦を主軸に据えたほうがダメージに結び付きやすいです。相手の牽制を上手くかいくぐって捕まえましょう。

もちろん、ナコルルやガルフォードのように中距離戦が強いキャラはこの限りではありません。得意技の間合いを起点にしましょう。

接近戦では?

接近戦に持ち込んだら、なるべく回転の良い小技を軸に相手を攻めてプレッシャーを与えていきます。覇王丸なら小足(しゃがみD)のような技です。大振りな技は流れが止まってしまううえ、避けられると手痛い反撃を貰うため控えたほうが良いでしょう。

リターンの大きな狙いとしては回り込み・防御崩しがあります。特に回り込みは使いやすくリスクも低く、攪乱効果が高いのでどんどん見せていきましょう。逆に防御崩しは通しづらいので奥の手的に使っていきます。相手の背面を取ってからの攻撃は本作で最もキモチイイ瞬間のひとつ。最初はコレを目標に遊ぶのがオススメ。

次のステップ

動きの幅を増やしたくなったら、接近戦向けの技を増やしていくと良いでしょう。相手の間合い外から攻撃できるリーチの長い技や、避け対策になる持続時間の長い技、ジャンプや不意打ちの対策になる攻撃位置の高い技などを混ぜていきます。

例えば覇王丸なら「小足を軸にしつつ、→+Dや立ち小斬りを混ぜる」という感じです。技が増えると攻めにリズムが生まれ、意味のあるプレッシャーを与えられます。本作は避けが強いので、隙の少ない技を主体にじっくりと攻めを継続することで「単純に避けても意味がない」・「反攻のタイミングが難しい」状態を作っていきます。「プレッシャーに負けて動こうとした相手からダメージを取る」のが理想の展開で、そのためのコンビネーションの組み立ては本作の醍醐味のひとつです(最初はやや難しいので、ゲームに慣れたら考えてみましょう)。

これもまたサムスピ

こういった着実な攻めでプレッシャーを与え、ダメージを積み重ねて相手を焦らし、さらに大きな隙や致命的なミスを生み出すことで、ようやく大技に結び付けられます。もちろん大技が通らずに時間切れで決着となることも多々あります。本作はゲームスピードが速めで「近付いて触り合う時間が長い」という、サムスピとしては異色の一作ではありますが、激しい駆け引きの先に得られるカタルシスは確かに「サムライスピリッツ」しているのです。

守り方について

まずは落ち着こう

守る側にとってもこのゲームの時間の多くは「接近戦を凌ぐ」ことが中心になります。展開が速いため焦りがちですが忘れないでおきたいのは「ガードが強い」・「避けが強い」ということ。直接的かつリスクが低い崩し手段はそう多くはありません。相手は多くの場合、まず小技を刻んで布石を敷いてから、回り込みや歩き投げなどの本命を狙おうとするハズ。ひとまず落ち着いて相手の攻め方をよく見ましょう。怪しい時間帯があればAB同時押しをしておけばいいのです。基本的に防御側有利だと考えましょう。

避けを出している間は絶対安全なため、ひとまず状況を見て考える時間にできます。これがこのゲームのいいところ。避けを見せることで相手にも思考を強制できます。これは上手い相手であればなおさらです。避けの僅かな時間に読み合いを発生させ、あわよくば攻守逆転を狙いましょう。さらに避けの動作後半は通常技でキャンセル可能、いわば「避け攻撃」が可能です(「知っ得! 小ネタ大連発」の該当箇所を参照)。攻守逆転の手がかりに活用していきましょう。

逃げ方に注意

接近戦から離脱するのにはジャンプやバックステップが適していますが、リスクもあることを忘れずに。距離が詰まっているため攻め側にとっては攻めを継続するのはさほど難しくないです。むしろ待ってましたとばかりにここを狙ってくる相手もいるので要注意。

画面中央ならバックジャンプが比較的安全。端に追い詰められたときは少し注意して、不意を突いての前ジャンプや三角跳び(できるキャラ)、回り込みなどを使って脱出しましょう。相手の攻め手にジャンプが含まれるなら、下をくぐってそのまま逃げたり、対空処理から攻守逆転してしまうのも手(くぐってから立ち小斬りで落とす、など)。これも相手の攻め方次第。落ち着いて隙を探しましょう。

じつは大事な中距離戦

接近戦以外の守り方……つまり接近させない方法ですが、これは中距離戦の作り方が重要になります。このゲームの中距離戦は軽視されがちなため、ここを上手く使っていけると差が出ます。持続時間の長い技を置いておくなどして接近を抑制していきましょう。このとき地上技だけでなく垂直ジャンプ攻撃などを混ぜて画面を広く使っていくのも有効。広範囲に攻撃を置いていき、安易な接近を抑制していきたいところ。跳び込まれた場合、ダッシュでくぐってそのまま反対側まで走り抜けてしまうのも逃げ手段として有効なので覚えておきましょう(本作は背中側にいる相手はダッシュが出せないため、地味に時間を稼げます)。

本作は試合時間の短さゆえ、いちど相手を萎縮させれば効果大。少しでも「やりづらいな」と思わせたらしめたもの、持てる武器を上手に使って相手の心理をコントロールしていきましょう。ほら、やっぱりサムライスピリッツ。

斬サム対戦 レベル別目標

斬サム対戦のレベル帯別に身につけていきたい要素を挙げてみました。あくまでもざっくりとしたイメージですが、ここに書いてあるポイントを押さえていけば着実にレベルアップできるはず。

初級レベル

キャラを決める

好きになれるキャラや使いやすいキャラを探してみましょう。当サイトの「はじめてのキャラクター選びガイド」や「キャラクターとコマンドリスト」、「私見! キャラランク」も参考に。本作はいわゆる「キャラ差」が小さく、どのキャラでも十分戦えるため好みで選んで大丈夫です。

使いやすい技を探す

攻め方のセオリーでも述べたとおり、まずは「接近戦で安心して使える技」を用意しましょう。キャラによりますが小足(しゃがみD)や小斬り系から1つ~2つあれば十分です。これを当てていく(相手に触る)ことを最初の目標にしましょう。上手く当てていけばどんどんダメージを奪えます。これらの技は攻められたときにも咄嗟に使える攻防一体の技です。

このほかにも「一発逆転が狙える大斬り」や「ジャンプ中に使いやすい技」、「少し間合いが離れたときに使う牽制技」(リーチの長い立ち小斬りや中斬り)あたりを用意しておくと動きに幅が出て、ソレっぽくなります。

基本コンボをやってみる

当サイトの「ド定番連続技ガイド」などを参考に持ちキャラの基本コンボを習得しましょう。「気に入った」・「キモチイイ」・「簡単にできる」……ひとつでいいから見つけて、もし実戦で決められたら自分をほめてあげましょう。

練習環境については「練習環境はどうするの?」を参考にしてください。

危ないときにはガード・避け

危ない! と思ったら「↙」か「AB」をクセにしましょう。後ろジャンプ(↖)で逃げてしまってもいいですね。細かいシステムがわからなくても最低限これだけ覚えていれば長生きできます。

その他のシステムについては当サイトの「基本動作解説」や「特殊動作解説」を参考に少しずつ取り入れていきましょう。

中級レベル

使う技を増やしていく

最初に覚えた技以外も色々と試してみましょう。色々な間合いの使いやすい技や、攻めのテンポを変えられる技、自分がこだわって楽しめる技を見つけられると楽しく、勝率も上がるでしょう。

各キャラの主力技を覚える

他のキャラが何を狙っているかを知り、警戒すべき技を食らわないようにしましょう。逆に自分の得意技をどうすれば当てていけるか考えていきましょう。

崩し方を覚える

回り込みや防御崩し・不意打ちなどを使って、相手を攪乱したり、ガードを崩したりできるようになりましょう。回り込みや防御崩し後の状況を判断して確定技を決められるようにしましょう。逆に、これらを狙われたときに慌てず守れるようになりましょう。

上級レベル

ダメージ効率を高める

確定状況などワンチャンスで与えるダメージを増やしていきましょう。反撃はなるべく重く、連続技はなるべく痛く。永久や一発KOが決められる状況なら逃さず勝ちを収められるようにしましょう(ハメ技の有無はローカルルール次第)。

システム面の知識を深め活用する

当サイトの「小ネタ大連発」や「マニアック知識編」、「書籍&リンク集」などを参考に知識を深め活用していきましょう。アイテムを有効に使ったり、立ち回りに弾き返しを取り入れたり、避けやジャンプなどのシステム的な制約を逆手に取ったり、技の組み合わせを意識した攻めを狙ったりしていきましょう。

時間感覚を身に付ける

試合中にタイムカウントを意識できるようになりましょう。本作はカウントがかなり速いため想像以上に時間の余裕がありません。「25切ったら終盤を意識」など自分なりのシナリオを持っておきましょう。

超上級レベル

攻めの継続性を意識し、避け対策を考える

立ち回りにおいて、いかに「こちらがプレッシャーをかけている」状態を継続できるか考えていきましょう。漫然と立ち合っているだけではダメージに結びつかないので、ひとつひとつの技の性質や相手の細かい手癖までよく見て、流れを引き寄せるための行動をしていきましょう。

それは同時に、強力な防御手段である避けの後の時間帯をどう使っていくかを考えることにもなります。ここが本作の駆け引きの核となっていくでしょう。

対空精度を上げる、空中ガード対策を考える

ジャンプが強力な本作ですが、可能な限りの対空処理をし、相手の跳びをできる限りダメージ、または攻め手に結び付けられるようになりましょう。落とすことを狙うのか、狙うならどのように当てるべきか、そうでなければいかに着地にプレッシャーをかけるか。逃げ安定にさせない工夫を少しずつでも積み重ねましょう。

対空技について詳しくは「特集! 対空技一覧」で。

要所での防御力を高める

対戦レベルが上がるほど、一発のダメージが重くのしかかってきます。崩し手段の少ない本作では、避けや回り込みの後・ジャンプの着地時など「どうしても接触しなければいけない」時間帯にダメージが生まれやすく、そこを凌げるかどうかが重要なポイントになります。見切りづらい中段攻撃やコマンド投げ、タイミングをずらしたフェイント等が多用される局面でもあるため、場数を踏み相手の狙いを知れば知るほどダメージを減らしやすくなるでしょう。もちろん、その経験があるほど自分の攻めも通しやすくなるはずです。

柔軟さ・個性を磨く

流れを読んで臨機応変に動きを変化させ、自分なりの連繋や誘い・騙し・フェイントも織り交ぜていけるようになるとより強く、楽しく遊べます。

本作はシンプルなゲーム性ゆえ、上級レベルになればなるほど「型にはまった剣法」では勝てなくなります。意外な技が意外な効果を生むこともあるでしょう。ここまで楽しめるようになればもう達人の域。立ち回りの自由度の高さこそ斬サムの魅力。キミだけの動きを見つけよう!