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サムライスピリッツ斬紅郎無双剣 私見! キャラランク

このページでは斬サムのいわゆる「キャラランク」について触れていきます。指針になる反面、価値観を狭めてしまう功罪ある話題ですが……あくまでも私見であり、参考として見ていただければと思います。

本作で「強い」キャラとは?

当サイト「対戦入門編」で解説したとおり、本作のゲーム的な特徴は「高火力」かつ「防御行動が強い」ということ。これは根本的なゲーム性やシステムに起因する特徴でありこの部分にさほど大きなキャラ差はありません(ないわけではない)。

いっぽう本作における「イマイチやりづらい」点……「直接的な崩しが乏しい」とか「中距離から仕掛けづらい」とかをカバーできるキャラは「恵まれている」キャラとなります。とくに前者に影響する、コマンド投げを所持していたり中段が強かったり防御崩しの発生が速かったりするキャラが「強い」傾向にあるといえるでしょう。

基本的なセオリーをこなすだけならどのキャラも問題なく出来上がっており「選んで失敗」なキャラはいません。愛を貫くのも十分可能です。そもそも制限時間が極端に短いゲームなのでキャラ差を実感する前に終わることも。自キャラを信じた試合運びをしましょう。

私見キャラランク

というワケで私見キャラランクをドドンと掲載します。2021年5月現在。

左のほうがふわっと強い感じですがさほど精緻ではないと思ってください。以下のTwitterまとめには2020年1月頃に界隈で俄かに盛り上がったキャラランク関連の話題をまとめていますのでこちらもご参考に。

Twitterまとめ:斬サム(キャラランク関連)

S+(殿堂入り):羅刹覇王丸

全ては旋風波。中間距離で振り回せる長リーチの高速中段から永久に行けるのは25年経っても「強い」に違いない。どう考えても「最凶」クラスのキャラだが、永久・一発KOが盛りだくさんの本作にあっても本当にあっさり勝負が決まってしまうため対戦相手やギャラリーの不興を買いやすいのが最大の欠点。

よって現代の趣味的なコミュニティにおいてはこのキャラを使うこと自体が難しく、「中の人のコミュ力で周囲の理解を勝ち取る」というゲーム外の攻略のほうが重要でさえある。本作のような過疎ゲームではこのようなキャラは「いないこと」にされがちで、色々な意味で評価が難しいキャラとなっている。

対戦レベルが上がると「相手を捕まえなければ意味がない」・「警戒する相手を動かし旋風波を引っかけるセンスが必要」・「対空が難しい」など頑張らなければいけない点も出てくるため決して楽に勝てるわけではないが、他キャラ使いからすれば贅沢な悩みかもしれない。いずれにせよ周囲の理解が必須なキャラである。

S(鬼):幻十郎・ナコルル・閑丸・羅刹リムルル

実質的な最上位グループ。コマ投げ・永久など本作における「強い要素」を複数所持していたり、崩し手段や立ち回りの武器が多かったり、攻めても守っても強かったり……。ゲームに愛されし恵まれたキャラ達でテクいネタも多くやり込み甲斐十分。

全体的にテクニカル寄りで覚えることは多め。操作性などに若干クセのあるキャラが多く、慣れないうちは少々難しく感じるかも。このうち修羅ナコルル・修羅閑丸あたりは単発技や「中斬りキャンセル必殺技」など基本の動きだけで十分強いので初心者や「早く勝ちたい」勢にもオススメだ。

牙神幻十郎(修羅)

羅刹覇王丸に次ぐ実質最強と考えられるキャラで、限りなく「S+」に近いと言っていい。連打ヒット確認から一発気絶に持ち込める小足、投げハメ可能な高威力のコマンド投げ、なぜか他キャラより発生が速い防御崩しを持ち接近戦での攻めがとにかく強い。

もちろん幻十郎の代名詞である三連殺も強く高速突進からめくり&大ダメージ(気絶値つき)、見えないっていうか交通事故っていうか。しっかり背面永久も持っていて斬サムの強キャラに恥じない万能っぷり。キャライメージ通りの攻撃的な立ち回りでどんな相手もザクザク斬り捨てていける。攻めて攻めて勝ちたい人にとくにおすすめ。技術介入度が高めで操作が難しく、暴発とコンボミスがお友達。格ゲー好きな人に向いているかも。

使える技と使えない技の差が激しく、強キャラ陣のなかでは体格がやや大きめ。受けに回ったり長期戦になると苦労する場面もあるが彼の前では些事に過ぎない。弱点が露呈する前に相手が倒れているだろう。とにかく相手を圧殺することに長けたキリングマシーンのようなキャラだ。強い。

ナコルル(修羅)

中距離戦に秀で、高性能な牽制と弾と突進を複数所持する空間制圧の女王。なにしろ主力の弾が中段で当たれば一発気絶。「遠立ち中斬りの間合いでフラフラ、ちょいちょいシチカ エトゥ、困ったら適当にアンヌ ムツベ」という基本の立ち回りだけで相手が勝手に疲弊していくだろう。彼女が怒れば裁きの時間、発生8Fの中段で半分減って武器が飛ぶ、光の武器飛ばしことエレル カムイ リセが女王の威厳を確実なものにする。

当たり前のようにコマンド投げも所持しているが、それ以上に大きいのは本作全体を見ても貴重な空中投げの存在。なくても強いぐらいなのにどうして……。言うまでもなく空中ガードの強い本作では超絶便利な逸品。女王の前では逃げることも許されないのだ。

小回りが利かないふわっとしたジャンプ&バクステなど弱点もちらほらあるが、誤魔化せる範囲。むしろ逃げたいのは相手のほうである。つねに相手を射程に捉え自分の世界に引き込んで斃す……そんなキャラだ。どうしても突進技をぶっぱなしたくなる場面が出てくるが当然リスクはある。弾にもいえるが相手をコントロールしダメージを奪っていくセンスは必要。大自然の声を聴け。

リムルル(羅刹)

本作屈指の恵まれキャラ。リーチ・スピード・パワーすべてを備えた超人戦士で、長くて速くて痛い通常技の数々に、リーチも持続も長くて空中ガード不能のルプ トゥムを加えた圧倒的な地上戦の厚み。やたら持ってる対空技。高威力で気絶値があり隙が異常に小さいコマンド投げ。当てて有利な小足も完備し接近戦もお手のもの。そしておなじみ背面永久……とマジで強いところだらけ。未熟な巫女ってなんだっけ?

とにかく平均火力が高く横方向の圧が強い。実質パワーキャラなのに身体は全キャラ最小レベル、何をしても得をする。強キャラの方向性はいろいろあるが、これほど「真正面からシンプルに殴り合って勝てるキャラ」はいないだろう。誰が呼んだか「かわいいゴリラ」。

極めつけはこれだけ格闘力が高いのに逃げ回っても強いということ。本気で逃げられたらもうお手上げ。大きな弱点もなく、強いていえば懐がスカスカな技が多いことと若干飛距離が長いジャンプ、コマンド入力に少しコツがいるぐらい。強い。

緋雨閑丸(修羅)

超高性能スタンダードキャラ。小柄な身体から繰り出される傘や脚による通常技の数々がとにかく優秀。見るからに強いジャンプ大斬りを筆頭に、全てにおいて攻撃判定は大きく、くらい判定は小さい(そして痛い)。「絵的に強いんだからしょうがないじゃん」を象徴するような存在で、キャラデザインがそのまま強さに繋がっている優等生。技構成は素直ながらどの技も異常に性能が高く、新主人公の貫禄をこれでもかと見せつける。

武器飛ばし技が実用的でコンボに組み込みやすく、実質一発KOなのも強烈極まりない。上位キャラでは珍しくコマンド投げを持たず永久コンボもないが、それでも自然と最強クラスに名が挙がるほど本体性能が高くまとまっている。

最初に覚えることはジャンプ大斬りとしゃがみ中斬り(発生5Fの下段でコンボ始動でヒット確認容易)だけ。鬼のローキック(→+D)は判定激強の下段で中斬り並みの威力。これだけで形になるほど初心者フレンドリーなのに、使い込めば使い込むほど強くなる面白い技も多数持つ。スタンダードキャラゆえに立ち回りの幅が広く、攻めも守りも変幻自在。やり込み次第でいくらでも強くなれるだろう。初心者から上級者まで楽しめる、懐深く、長く付き合えるキャラとなっている。

ナコルル(羅刹)・緋雨閑丸(羅刹)

いずれもゲーム性を無視した機動力による防御・逃げ性能が突出したキャラとなっており強さの方向性が他キャラと異なる。プレイスタイル次第で強さが変動するとも言えるが、容赦無く徹底されたときの絶望感は筆舌に尽くしがたい。一部では斬サムの「闇」とかゲームを「終わらせる」キャラとか考えられており最終的にはコイツらへの対策が必須となる。もちろん基本がナコルル・閑丸なので本体性能の高さも折り紙付き。なお使いこなすのはかなり難しく、独特のテクニックとセンスを必要とする上級者向けキャラである。

牙神幻十郎(羅刹)

修羅から三連殺とコマンド投げを取って、羅刹の醍醐味・裏桜華を加えた性能。その三連殺とコマンド投げが強すぎなのだが、そもそも本体性能が高く、小足あるし、三空殺でもコンボはできるし、裏桜華もこれはこれで便利だし……ということでしっかり強キャラ枠に入っている。

修羅に比べると崩しにひと手間かかる印象だが、裏桜華を絡めた攻めの魅力はここだけ。創意工夫次第でいくらでも攻撃力を高められるキャラとなっており、やみつきになる魅力があるだろう。オリジナルのムーブを突き詰めたい人にオススメ。波動コマンドがほぼ確定状況専用のため、修羅よりは暴発に悩まされにくいのも長所といえる(竜巻コマンドは修羅以上に多用するが)。

S-(力):羅刹骸羅・斬紅郎

火力と実戦値がやたら高く「パワーキャラを使いたい!」という欲求に応えてくれるキャラ達。見た目どおり小回りは利かないが、どんな状況でもワンチャンスで勝利を掴め爽快感抜群。前述のグループが様々な意味で「難しい」のに比べ、単発寄りで狙いがわかりやすいため混戦に強く逆転力も高い。他キャラ以上に「斬サム」しているシンプルで愉快なキャラが揃っている。

花諷院骸羅(羅刹)

期待通りのパワーキャラ。異常に判定の強い各種大斬りを振り回して委縮させ、なぜか投げ無敵のしゃがみAなど変な小技で何となく接近戦をこなしつつ、ヒットでもガードでもお構いなしに吸うガード不能連繋とガードキャンセルに使える円心殺~地でフィニッシュ……というわかりやすい力強さが持ち味。

細かいことを無視して勝ちを引き寄せてしまうパワーがあり、ついつい触りたくなる不思議な魅力を持っている。「細けぇこたぁいいから俺に任せとけ、な?」って言ってる感じ(18歳)。え? 真面目にやってても雑に見えるって? バッカ野郎、愛嬌だ! はっはっは……。

壬無月斬紅郎

ボスに恥じないパワーキャラ。「疾風斬かジャンプキックが当たれば終了」のプレッシャーがまず強すぎる。防御崩しの発生が速く普通に使えるグループに属しているのもポイントで、立ち回りの中に危険ポイントがいくつもあるのだからたまらない。通常技も結構いいものが揃っていて、考えて使えば役立つ性能。やり込みにしっかり応えてくれ、爽快感もついてくる良キャラといえる。デカキャラながら技構成がスタンダードで扱いやすく、キャンセルができないので操作もシンプルといいことずくめ。初心者にもオススメ……

……なのだが、大前提として斬紅郎では対CPU戦ができないため練習環境が限られるという問題が。さらに乱入がないまま制限時間を迎えてしまうと二度と使えないのも悲しすぎ……。そもそも使用コマンドも結構難しく、仕様面で遊びづらいキャラとなっている。家庭用などプレイ環境があれば是非遊んでみよう。

A(良):修羅リムルル・破沙羅・修羅覇王丸・羅刹右京・忍者

良スタンダード的なグループ、および忍者。必要十分なキャラパワーと機動力・攻め能力を持つ。このあたりから選んでおけば過不足感なく楽しめるはず。

リムルル(修羅)

羅刹からルプ トゥムを外し、コマンド投げの威力と気絶値が無くなった代わりにダウンを奪えるようになった。パワフルさは多少なりを潜めているものの、コマンド投げでダウンを奪えることにより起き攻めチャンスが増えているため一味違ったスピーディなラッシュが展開可能になっている。

一発技ながら当たれば勝ち確のカムイ シトゥキや、意外に隙の少ないコンル ノンノなど搦め手も魅力的。リムルルなので本体性能は文句なしに高いが、安定を求めるほど単調になりがち。性能だけでは勝てない面白いキャラだ。可能性はSランク級だが、工夫が必要かもしれない。

首斬り破沙羅(修羅・羅刹)・覇王丸(修羅)

いずれも小足性能が最高クラスで接近戦をこなしやすく攻防において困ることが少ない。小足を軸にしつつも、立ち回りに使える面白い技も色々と持っておりどんな相手とも十分に戦える良キャラだ。「対戦入門編」で述べた本作のセオリーにだいたいあてはまる教科書的なキャラで、使いこなすほどに上達する楽しさが味わえるはず。まさに本作のスタンダードといえるキャラたちだ。

どちらかというと破沙羅はヒットアンドアウェイ・攪乱型、覇王丸はコンボを夢見つつも地道に貼り付いて頑張る感じ。お好みで。

橘右京(羅刹)・ガルフォード(修羅・羅刹)

羅刹右京もバランスのよいキャラ。機動力がやや低いものの、じっくりした攻め方の工夫など本作の面白さを味わえるうえ、強力対空・近距離しゃがみ大斬りなどの優秀な通常技や、貴重な「使える飛び道具」である陽炎、本作唯一の「当て身」技である夢霞まで持ち、地味に多才。ここでしか味わえない楽しさを多数持つ個性的なキャラ。

ガルフォードも間合いごとに便利な技が一通り揃っており格闘ゲーム的に楽しく遊べる。使うべき通常技が多く、その使い分けを考えるだけでも奥が深い良キャラといえる。羅刹のほうがスタンダードで安定感があり、修羅はちょっとトリッキーでテクニカル。どちらも面白く、どんな相手とも十分に闘えるはず。

服部半蔵(修羅・羅刹)

羅刹半蔵は評価の難しいキャラで、3回投げればKOの投げキャラでありながら速すぎるダッシュと面倒臭い飛び道具を持ち、怒れば投げの対になる空中ガード不能の武器飛ばしが飛んでくる。これだけ見ると強いのだが、小回りが利かず攻めの継続性に難があり、相手を追い詰めにくい。評価者によって評価が大きく分かれるキャラとなっている。強い面を見ればSランクでも違和感はない。

修羅半蔵はさらに火力の低さという難点も持ち手数を増やさなければならない。じわりじわりと相手を追い詰めるような立ち回りが必要になる。幸い猿舞が無いためコマンド化けを気にせず動かしやすい。ガンガン動き回りたいなら羅刹よりオススメかも。武器飛ばしも面白く、将来有望株。

B(普):天草・狂死郎・修羅骸羅・修羅右京

悪鬼羅刹だらけの斬サム界における善良な一般市民の皆さん。明確な苦手分野があったり、動きの幅がちょっと少なかったりする。火力や機動力の低いキャラが多く、他キャラよりも頑張る回数が多くなりがち。とはいえ、やるべきことをしっかりこなし時間いっぱい工夫すれば全く問題ない。愛とやり込みがあれば十分戦えます。

天草四郎時貞(修羅・羅刹)

天草は最強の小足(発生最速グループ・ガードさせて有利・異常な高威力)を持っているのになんと弱キャラ。使える技が少ないうえに機動力・攻め能力がとにかく低いのが災いしており斬サムの難しさが感じられること必至。いわば斬サム力を鍛える「良弱キャラ」。なおパーティゲーム的に遊ぶ場合は最強レベルに最適なキャラで、彼の小足だけでワイワイ盛り上がれること間違いなし。パーティには必ず招待しよう。

花諷院骸羅(修羅)

修羅骸羅も攻めや崩しに使える技が乏しく、ひたすら様子見安定されやすい。骸羅なので本体性能は高いものの、円心殺がないだけでだいぶ厳しくなっている。うまく相手を動かし、優秀な対空技の組み天井や、ガードキャンセル尻めくりの罠に誘い込めるかが腕の見せ所。「崩しがない」ことが問題になる前に流れを作って上手く騙して倒す感じになる。火力はあるのでハマれば強い。

千両狂死郎(修羅・羅刹)・橘右京(修羅)

いずれもサムスピらしい中距離戦に強みのあるキャラだが火力と攻め能力の低さに泣かされる。接近戦の弱さもじわじわ効いてくるので我慢が必須。空間制圧力はむしろ高いほうで立ち回りは決して苦手ではないのだが……。「ダメージを与える」ということが単純に難しく、他キャラ以上に駆け引きをこなさねばならない。サムスピ感を味わいながらじっくり楽しめるならオススメといえる。

なお、対戦レベルが上がるほどに牽制一発の意味が大きくなるため、キャラ性能面の劣位が逆説的に感じづらく・影響しづらくなるのもこのあたりのキャラの特徴。得意分野を活かして時間いっぱい立ち回れるならば、どんな相手とも渡り合える可能性が見えてくるだろう。

おわりに

以上、あくまで私見ですが全体的な傾向はだいたい現代斬サム勢の間で共通していると思います。「B(普)」に挙げたキャラ達も基本性能に大きな問題があるワケではなく実戦では十分勝てる、なんだかんだ良いゲームです。好きなキャラで楽しめるので、ぜひお好みのキャラで遊んでみてください!

で、オススメは?

そりゃもう「S」ランクキャラ……と思うかもしれませんが少々クセのあるキャラが多く、強さを引き出すには修行が必要かも。比較的「早く勝てる力」が高いのは修羅ナコルル・修羅閑丸あたりでしょうか。

こだわりがない場合は「S-」~「A」あたりのキャラから選ぶといいでしょう。とくに本作におけるスタンダード的な位置付けである修羅覇王丸・破沙羅・羅刹ガルフォード、シンプルかつパワフルな羅刹骸羅あたりがオススメ。ランクはBですが天草も早く勝てるし当分悩まず楽しめるはず。

純粋な推しキャラがいる場合は素直にそのキャラを選んでください。愛は全てに勝ります。キャラ愛があるとゲームの楽しさが違うはず。スタイル的にフィットするキャラに出会えた場合もそれを使いましょう。動きが合うことは後々大切になってきます。